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Gtz, M.*; Yakushev, A.*; Gtz, S.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 浅井 雅人; Kindler, B.*; Krier, J.*; Lommel, B.*; 永目 諭一郎*; et al.
Radiochimica Acta, 110(2), p.75 - 86, 2022/02
被引用回数:2 パーセンタイル:30.55(Chemistry, Inorganic & Nuclear)揮発性超重元素カルボニル錯体の研究には、原子番号の増加とともに超アクチノイド元素の生成率が低下するためにより効率的な方法が必要となる。新規に開発したダブルチャンバーシステムを用いて、反跳槽と反応槽を分離することにより、カルボニル錯体合成の障害となる入射イオンビームによる反応分子の分解を回避することにより、これを実現する。軽い超アクチノイド元素Sg, Bh, Hs、およびMtの同族元素同位体として5d金属短寿命同位体を原子力機構タンデム加速器で合成し、モデル実験を行うことで、本手法の実現可能性を検証した。
Gtz, M.*; Gtz, S.*; Kratz, J.-V.*; Ballof, J.*; Dllmann, Ch. E.*; Eberhardt, K.*; Mokry, C.*; Renisch, D.*; Runke, J.*; 佐藤 哲也; et al.
Radiochimica Acta, 109(3), p.153 - 165, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:44.61(Chemistry, Inorganic & Nuclear)超重元素揮発性カルボニル錯体の化学研究のために、反跳によって標的もしくは線源から飛び出す核反応生成物または核分裂生成物を熱化し、さらに気相カルボニル錯体合成を行うための2槽型装置を開発した。この装置は、空間的にデカップルされ熱化チェンバーと気相化学反応チェンバーから成り立ち、核反応等で生成した短寿命核種が熱化チェンバーに満たされたガス中で熱化されたのち、気相化学反応チェンバーに送り込まれて、一酸化炭素と反応することでカルボニル錯体を形成する。U中性子誘起核分裂およびCm自発核分裂からの核分裂片を用いて検証したところ、全体効率として50%以上を達成した。また一連の結果により、熱化された核分裂生成物のカルボニル錯体形成が単一原子反応であり、熱原子反応ではないことを示した。
Even, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Eichler, R.*; Fan, F. L.*; et al.
Science, 345(6203), p.1491 - 1493, 2014/09
被引用回数:64 パーセンタイル:83.15(Multidisciplinary Sciences)超重元素の新しい錯体、106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に初めて成功し、その吸着特性を低温熱クロマトグラフィー・線測定装置COMPACTを用いて調べた。理化学研究所の気体充填型反跳イオン分離装置GARISを用いて合成及び前段分離された短寿命核反応生成物Sgを、ヘリウムと一酸化炭素の混合ガス中に打ち込み、カルボニル錯体を合成した。生成したカルボニル錯体のうち揮発性の高いもののみをガス気流によってCOMPACTへと搬送し、低温熱クロマトグラフィー測定を行った。検出されたSgカルボニル錯体の吸着エンタルピーは-50kJ/molと求まり、この高い揮発性からこの錯体は6配位のSg(CO)であると結論した。これまで超アクチノイド元素では単純な無機錯体しか合成されたことがなく、本研究は超アクチノイド元素における初めての有機金属錯体合成の成果である。